こんにちは。
今日は、壁にぶち当たった時に起きる色々な現象を、生徒さんの様子と指導者の目線から考えてみました。

まず、生徒さんを見ていて思うこと。

スタジオに入ってきた瞬間、というかその前からか…わかります😅

今、壁にぶち当たっていますね?という感じ。
レッスンから足が遠のき、しばらく見ないなと思っていたら、どんより現れるんですから…。

でも、私からは何も言わないようにしています。
ただ、痛みやモチベーションの相談をされた時は、いくらでも話を聞きたいと思います。
私が展開しているレッスンの中に、原因があることも考えられますので、その時は大きな怪我や、モチベーション低下を防ぐためにも
すぐに改善しなければならないと思っています。
ただ、生徒がプロを目指している場合は、ちょっと注意が必要なのですよね。

なぜなら、プロの世界で活躍する人には、こんな特徴があるからです。それは、

自分の問題を自分で解決する能力がとても高い人!

これが絶対にいいかと言えば、必ずしもそうとは言えません。
何故かというと、そういう考え方は時に自分を過信してしまい、自分に厳しくしすぎてしまうからです。
そうなると、必然的に相手にも厳しくなります。
知らないうちに、怪我をして我慢していることもよくあるように思います。
それでも、気合いでなんとか乗り越えるのが恒例になっているのは否めないんです。未だに…

そして、そのような人だけが残り、そのような人にしか向いていない仕事になっている気がするのは、私だけでしょうか…???

本当にそれでいいのかな?
これは、ちょっと考え直す必要がありそうだな…と私は思っています。
大切な生徒がそこを目指すとなった時に、そういう世界だから!と処世術ばかり教えていたら、いずれ限界が来るでしょう。


ただし、プロのダンサーになりたい!と思っているなら、オーディションの段階から、そのような人々の中に飛び込んでいくことになるのは、今のところ間違いなさそうです。
そして、そのような人が実際にオーディションをくぐり抜けていくのも現実。


さて、難しいです…

そういう事を全く知らないまま、10代後半からいきなりプロを目指す生徒には、そこに備える概念がありません。

そんな彼女達がその世界を目指すのは、無謀なんでしょうか。

そこで、壁にぶち当たるんですよね…

先生、〇〇が痛いんです。

壁にぶち当たった生徒からよく聞く言葉です。
結論から言えば、痛いのを治してからレッスンしなければなりません。

しかし、この治すには色々な意味が含まれています。

怪我を治す
バレエができる状態にする
気持ちのうえで恐怖を乗り越える

確かに、これらは自分で取り組まなければならない事なのですよね。

取り組む前に、先生痛いんです…と来たら、病院に行くように勧めますし、診断が出たら、
信頼できるトレーナーさんからアドバイスをいただいてリハビリをすすめます。

ところがそのリハビリもせず、痛いんです…
もう、これは心の問題。




プロのダンサーを目指しているならば、レッスンを提供する指導者に相談するのは、上達する方法や、表現力についてが主になるはず。
痛みを回避するための身体の使い方でさえ、バレエに則っての指導になるので、その生徒の身体が、そもそもバレエができる状態になければ、レッスンを通して支えることは、難しいですね。


病院の先生は、痛みを取るのがお仕事なので、バレエをするための準備が整っているかの判断や、整えるための指導はお仕事の範囲外になってしまいます。

だから、レッスンを再開すれば痛みが再発。
根本的な原因を取り去っていない限り、繰り返されてしまうのですもの。

色々なところで受けられるトレーニングも同じです。意外と難易度が高く、まだその準備が整っていない身体に、難しいトレーニングを施してしまい
レッスンに来て、怪我をするということもあります。
そのトレーニングが身体にあっているならば、レッスンでは痛みも消え、パフォーマンスが上がるはずなのに。おかしいですね…

幸いなことに、私の生徒達は、信頼できるアスレティックトレーナーの先生に、痛みを引き起こす原因について、専門的な観点から個別に丁寧に指導して頂いています。

ただし、これも毎日取り組んで、その都度フィードバックをしているからこそ、結果が出ることです。
これであってるのかな?と確認する事を怠り、盲信すると、どんどん道がそれていってしまいます。

こうやって少しずつ、自分に起きた問題を、自分で解決する方法を学んでいくのですよね…
ただ、自分でがむしゃらに解決するだけでは、全く足りないていないんです。

ところが、そこまで辿り着かないうちに諦めてしまうこともあります。

これが一番辛いです…

自分で何でも解決するのだけが、すごいんじゃないよ!
少しずつそのやり方を覚えて、いつも合ってるかを確認しながら、積み重ねていくものなんだよ!

大きな夢を掴もうとしているんだから、積み重ねも層が厚い方が安全だと思うけどな…!

Yuko Ballet Foundations 
藤田 優子