続きです

先日、京都のアニメーション会社でとても悲しい事件が起きました。
冒頭はこの話から入りました。

たくさんの才能ある方が命を落とす結果になってしまったあの事件の背景には、
加害者の想像力の乏しさ、コミュニケーション能力の欠落が垣間見えます。
とんでもないことを起こした加害者への怒りはもっともな事で、当然私自身もニュースを聞いて気分が沈みました。
子ども達に、あのニュースを聞いてどう思った?と聞いた時は、ただ困惑の表情が浮かぶばかりで
何か意見が出ることはありませんでした。

その事について、深く話し始めると、みるみる子ども達の表情が変わっていきました。

まず、気に入らない事があった時、感情が抑えられなくなり、
怒りに苛まれ、暴挙に出ることは誰にでもあり得るように私は思います。
私も、大切なものが踏みにじられたり、虐げられたり、信じていた人に裏切られたりすれば
怒りでいっぱいになることはあります。

その時、自分の取った言動が与える影響、傷つく人、被害の大きさがどんなものか
どれほど大きく広がっていくかがわからないから、あのような事件に繋がるんじゃないかと思います。

本当なら、その理由を考えなくてはならなくて、今、子どもとして生きている人達と一緒に
それはなぜなのかということを、考える機会をつくらないとならないんです。

表現するということは、例えば自分の想いを形にすること。
ダンスじゃなくたっていい。
音楽でも、絵でも、写真でも、作文でも、何か好きなこと。
そして、できるだけ多くの人にそれを見てもらって、意見を交換すること。評価ではなくて。
そこからコミュニケーションの発想は根付いて、新しい何かが生まれていく。
それを、ただ押さえつけられ、まだ素直で柔らかな心の持ち主、子どもの時代に
こうじゃなきゃダメだと型にはめられ続けたら、その子は自分の想いや行動に対する
周囲の反応を知らないまま大人になります。

それって、大元はその子の責任じゃないのです。
でももし、それが原因で、自分の行動が人に与える影響を知らずに育ち
誰かを大きく傷つけてしまったら?

そうならないような糸口を見つけたくて、私は楽しいダンス、楽しい表現を最も重視するようになったのです。

子ども達には、みんなが嘘じゃなくて心から楽しんでいる姿を、色々な人に届けたいんだよ。
すごく上手じゃなくたっていいの。
そして、みんなから誉めてもらえなくてもいいの。
そうやって、心から表現することを知って、コミュニケーションてなんだろうって知って下さい。
自分が思った事、考えた事を、どんな形にせよ、相手に伝える力を持って良い社会にしてください。

この世界の未来を作るのは、今子どもとして生きてる貴方達でしょう?
だから、お願いです。楽しんでください。
子どもが心から楽しんでいる姿を見ると、幸せな気持ちになるから。