続きです。

シマール女史の行動力と信念に感銘を受けた私は、緊急事態宣言が解除されたある日
まっさきに木がたくさん生えている場所へ、歩いていきました。
そこは、ご縁があって舞台芸術作品のモチーフにした神社なのですが
拝殿にむかうといつも、爽やかな檜の香りがします。
隣の敷地は、木がたくさん生えている広場になっていて、季節の花を楽しむことができます。

その場所へ行き、シマール女史の言葉を思い返しながら、木の観察をしました。
アーティストにとって大切な、五感で自然を感じるトレーニングです。
次に、スマートフォンを取り出して、木々のコミュニケーションについて私が語っている
ラジオ配信を流しました。
最初は、誰もいない場所で自分に対するフィードバックのつもりで聴いていました。

そのうち、木が反応し始めたことに気がつきました。
私は科学者のように、ガイガーカウンターで炭素の排出量を計ることはできません。
私が感じられるのは、あくまでも五感によるものです。

最初は、香りのプレゼントでした。
次に温度の変化でした。

信じられない。
木が、私の言語を理解し反応してくれたのです。

その香りには種類があり、その時はとてもよい香りがしたので、
ポジティブなコミュニケーションだと受け止めています。

次に、別の場所に行き、夢中になって木とのコミュニケーションを試みました。
一番面白かったのは、歌を聴かせた時で、あの時のことはきっと一生忘れられないと思います。
続く。