こんにちは。
バレエアートシアターin湘南 主宰の藤田優子です。

今日は、ミュージカル脚本プロットが、台本になっていく、そして現実になっていく話を。

バレエ作品の「くるみ割り人形」を、ミュージカルにしよう!と思い立ったのは、本当はずっとずっと昔です。
実際に行動に起こしたのが昨年でしたが、思いついた頃の私には目標が大きすぎて、温め続けていたことを思い出します。

けれども、ミュージカルのリハーサルを始め、バレエ教室の生徒達や、大人のキャストさんと立ち稽古を始めてみたら
うわぁ…私が作った物語が現実になろうとしている…
そんな風に思うことがしばしばありました。
物語って生きていて、そして育つんですね。驚きました。

私が書いたプロットにそって、キャストが台詞を言い、演じ、踊る…
なんということだ!キャストが命を吹き込んでくれたではありませんか。

私にとっては、ドロッセルマイヤーの魔法と同じです。

世の中の動きが大きく変わり続けている今、脚本の内容も、より深みが増してきました。
戦争や誰かの死、諦めなければならなかったり、諦めるものか!ともがいたり、逃げたくなったり、それでも人生が終わるわけではないことに気付いたり。
それはもう、どこかで聞いた話ではなく、リアルな体験としてすぐそばにあり、それを感じながらみんなが生きています。

今、兵器を使った国の取り合いはなくとも、亡くなる人の多さは戦争に匹敵しています。
世界中が危機に直面している状況がすぐ目の前に、私の隣にあります。

それでも私にとって、表現することが生きることなので、この体験は何かの形となって、作品となって、次々に生まれてしまいます。

苦しい努力は無駄なんだと言えるほど、人々の思想や教育に対する考え方は、枝分かれして、ある意味発展しました。
けれども、本当にそう言い切れるほど、努力したことがないならば、そう決めつけるのはまだ早い。
この状況下、思想も教育も生き方も、またさらに発展するだろうと思います。
これで終わることがない。
これが正解なんてない。

ハンナ役の子が、そのようなことを言ってくれたことをきっかけに、その台詞を台本につけ足すことにしました。

辛い努力はあまり意味がないと思わない?と問いかける私に、彼女は屈託なく言いました。
「そうかな?」

私は彼女のこの感覚を信頼しています。
10歳の子どもはみな天才です。

努力は無駄なの?
苦しいことは本当にやらなくていいの?
時代に翻弄され、そう結論づけたい思春期のクララに向かって、ハンナはこう言います。

「大人達が言っていることがわかるほど、私達は生きていないわ!
それに、苦しい努力が無駄かどうかわかるまで、努力したことだってまだないんだもの!」

クララの親友ハンナは、子どものクララにそう笑いかけます。
彼女がなぜ、そんな言葉をかけるのか…
答えは、クリスマスパーティーの夜にあります。

#くるみ割り人形とクララの夢
#バレエアートシアターミュージカル

Ballet Arts Theatre in Shonan
 江の島スタジオ
藤田 優子